ケロイドの可能性も?肥厚性瘢痕は自然治癒するものなの?

[最終更新日]2016/11/01

肥厚性瘢痕 自然治癒

傷跡の中では軽度ではあるものの、やはり赤く隆起するために人目に付きやすい肥厚性瘢痕。場合によっては痛みやかゆみも伴うため、できる限り早く治したいですよね。

今回はそんな肥厚性瘢痕の特徴をご紹介しつつ、自然治癒でも大丈夫かどうかという話をしていきます。

肥厚性瘢痕は自然治癒するものなの?

では初めに、肥厚性瘢痕が自然治癒できるかどうかという話からしていきます。結論から言えば自然治癒します。しかしながらいくつかの注意点が存在します

まず1つは自然治癒の場合は時間がかかるという点です。適切な処置を行ったとしても数ヶ月はかかると言われていますので、自然治癒の場合はそれよりも長くかかる可能性が高いです。人によっては年単位になる事もあるそうです。

もう1つはそもそも肥厚性瘢痕ではない可能性があるという点です。肥厚性瘢痕とよく似ている症状にケロイドという物が存在します。こちらは厄介な事に基本的に自然治癒しないどころか、その範囲を拡大するという危険性を持ち合わせているのです。

1つ目はともかく、もう1つのケロイドの可能性がある事を考えれば肥厚性瘢痕を自然治癒に任せるというのはお勧めしません。この肥厚性瘢痕とケロイドの判別は非常に難しく、症状が悪化して範囲が広くならない限り分からないのです。肥厚性瘢痕と思われる傷跡を発見した時には早めに処置を行うようにしましょう。自然治癒でも治るからといって安心し過ぎないようにしましょう。

このような傷跡は肥厚性瘢痕かも?

さて次に、どんな傷跡が肥厚性瘢痕かご説明いたします。

まず肥厚性とは何かというと、これは皮膚が通常よりも肥大化した状態、隆起した状態を指します。そして瘢痕というのは切り傷や擦り傷、やけどなどの傷跡の総称です。つまり肥厚性瘢痕というのは肌が肥大化した状態の傷跡を指すわけです。

基本的に盛り上がった状態であり、かつその部分に傷を負った事が直近1ヶ月範囲内であれば肥厚性瘢痕と断定できます。この肥厚性瘢痕ができる時にはその傷跡周辺が赤くなる事が多いので、ぶつけたわけでもないのに肌が赤くなっている場合は肥厚性瘢痕の可能性があります。

傷跡が隆起している、赤くなっている、この2点が肥厚性瘢痕の特徴です。隆起すると言ってもぷっくりと丸くできもののように膨らむわけではありません。これは傷跡の形に添って膨らむようになっていますので、例えば切り傷を作った場合はその形に添って細長く浮き出てきます。形はその時の傷跡によって変わるという点にも注意しましょう。抑えるべきポイントは隆起していて赤くなっているかどうかです。

肥厚性瘢痕とケロイドの違い

さてここからは肥厚性瘢痕とよく似ているケロイドとの違いを説明していきます。すでにいくつか説明していますが改めてここで整理します。

まず違いとしてはそもそも症状が強いのがケロイドです。痛みやかゆみと言った点でも肥厚性瘢痕よりケロイドの方が強いですし、何より自然治癒では回復しません。そして回復しないどころか放置すればケロイドはその範囲を広げていくのです。この違いはしっかりと抑えておくべき違いです。

それからケロイドは傷がない、怪我をしていない場所でも自然に発生する可能性があるというのも特徴の1つです。肥厚性瘢痕はあくまでも傷跡から生じる症状に対して、ケロイドはそういった傷が無くとも発症する可能性があるのです。ただこれに関しては本人が気づかないほどに小さな傷を負っていた可能性もあるため、非常に判断がしづらい点でもあります。

肥厚性瘢痕とケロイドの違いとして1番はっきりしているのは自然治癒しない、拡大するという点だけです。症状はほぼ似ていますし、見た目の形状や状態ではまず区別できません。この2つは非常に似通っているので、肥厚性瘢痕の症状が見られた時はまず医師の方の診察を受けておくのが大事になってくるわけです。

肥厚性瘢痕の原因って?

続いて肥厚性瘢痕の原因についてご説明いたします。とは言っても実は、肥厚性瘢痕の原因は未だにはっきりと判明していないのです。そもそも肥厚性瘢痕は傷がすでに治って塞がっているのにも関わらず、まだ足りないと体が勘違いして皮下繊維細胞を過剰に作ってしまう事でできる症状なのです。つまり傷自体はちゃんと治っているのです。その後で人によっては肥厚性瘢痕として隆起してくる可能性があるというだけの話なのです。

そのため肥厚性瘢痕の原因には体質に問題があるのではと考えられていて、ケロイド体質という言葉もあります。肥厚性瘢痕とケロイドは非常に似通っていて、ケロイドの場合は再発性もあるので体質が肥厚性瘢痕の原因になるのではと推測されている事もあります。ただこれだけでは説明がつかない症例もあって、例えばケロイドが再発した事のある人でも、体の場所によっては肥厚性瘢痕ができない事もあるのです。ケロイドは前胸部や背部など上半身の体の中心部分と、耳に発症する事が多いのですが、逆に手足や頭や顔など、体のパーツとしては端にある部分では発症しない事が多いようです。

加えて黒人には多く白人には少なく、日本人はその中間くらいと人種による違いがあったり、また小学校高学年から思春期にかけて発症しやすいなどの年齢による違いも見つかっています。

この様に肥厚性瘢痕が発生する原因は非常に多くの状態、環境が関係しているので、何か1つの特定の原因によって起こる起こらないが決まる事はないというのが現状の答えとなっています。しかしこれらの発生しやすい条件に当てはまる場合には肥厚性瘢痕が発生する可能性が当然高くなるので、自分の傷がどこにあるのか、また自分の年齢や体質をよく調べておいて、肥厚性瘢痕ができても慌てず対処できるようにしましょう。

肥厚性瘢痕の治療方法

それでは最後に肥厚性瘢痕の治療法をご紹介します。肥厚性瘢痕は自然治癒でも治るという話をしましたが、ケロイドの可能性を考えれば当然治療しておくべきですので、しっかりと覚えておきましょう。

基本的には外側から圧迫固定方法、圧迫療法が主流となっています。これは単純に患部を外側から圧迫して皮下組織の増殖を抑え込むわけです。

よく使われるのはステロイドテープです。ステロイドには皮膚の炎症を抑える効果もあるため、万が一肥厚性瘢痕じゃなかった場合にも有効です。それから塗り薬としてステロイド軟膏を使うのも有効です。

他にも皮膚の状態を良くするために保湿の効果を期待してシリコンジェルシートを使う事もあります。これらの貼り薬は患部の状態を良くするためにも必要ですし、さらに皮膚の病気なので外からの刺激で悪化しないようにするためにも必要です。特に肥厚性瘢痕はかゆみを伴うこともあるので、引っ掻いて新しい傷を作らないようにするためにも何かしら貼っておきましょう。

肥厚性瘢痕の治療法は他にもいくつも有り、例えば隆起した部分を丸ごと切除する手術を行う事もありますが、こちらは新しく手術跡ができてしまうため、最悪その手術跡からまた肥厚性瘢痕ができる事もあるためあまりお勧めできません。また近年注目されているレーザー治療は効果が確かにある分、治療費も結構高くつくので自身の経済状況を確認しつつ治療するようにしましょう。

この様に肥厚性瘢痕の治療方法は非常に多岐に渡りますが、基本的には最初に挙げた圧迫療法で大丈夫です。もしもこの治療法を行っているのに数ヶ月経っても収まらない、もしくは余計に赤みが広がっている場合にはケロイドの可能性が高まりますので、早めに医師の方に診てもらうようにしましょう。

肥厚性瘢痕自体は自然治癒ができますが、よく似た症状のケロイドが自然治癒しないので、できる限り医師の方に診てもらって適切な処置をしておきましょう。

まとめ

  • 自然治癒はするが人によっては年単位かかることもあり、またケロイドの可能性がある事も考えれば肥厚性瘢痕を自然治癒に任せるというのはお勧めできない。
  • 傷跡が隆起している、赤くなっている、この2点が肥厚性瘢痕の特徴。
  • 基本的には外側からの圧迫固定方法、圧迫療法が主流。

 

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