削皮術は大きなタトゥーの除去に最適|概要や注意点などを解説

タトゥーをきれいに消せるといわれている削皮術。興味をお持ちの方が多いかもしれませんね。削皮術とは、どのようなタトゥーの除去方法なのでしょうか。概要を分かりやすく解説します。

削皮術の仕上がりは執刀医により大きく異なるといわれています。なぜ、このように言われるのでしょうか。

以上のほか、削皮術を受ける前に押さえておきたいポイントや削皮術を受ける医療機関の選び方なども紹介しています。仕上がりに差が出やすい除去方法なので、内容をよく理解しておくことと執刀医・医療機関を慎重に選ぶことが重要です。

このページを参考にすれば、削皮術の特徴と受け方が詳しくわかるはずです。トラブルを避けつつタトゥーをきれいに消したいと考えている方は参考にしてください。

タトゥーの削皮手術(アブレーション・剥削)とは?

タトゥーをなくす治療はいくつかの種類に分類されていますが、広範囲に渡るタトゥーを消すとなると、その治療方法は限られてきます。そのひとつが削皮治療で、一般的にアブレーションと呼ばれています。

では、アブレーションはどのようにして行われる治療法なのでしょうか?

アブレーションとは、特殊な医療機器を用いてタトゥーを削り取る治療法で、広範囲に渡るタトゥーはもちろんのこと、レーザーの反応が弱い黒や紺色以外のタトゥーの除去も可能です。

また、表皮を極力薄く削ることにより、人体への負担を減らすことができるというメリットを持っています。

タトゥー 削皮

タトゥーを削り取った部分は擦り傷のような状態となり、その部分には時間の経過とともにマクロファージと呼ばれる細胞が集まり、皮膚に残ったタトゥーの染料を分解処理します。

これにより、かなりの確率でタトゥーを薄くすることができますが、これだけで処理することができなかったタトゥーに関しては、後日レーザーによる再治療が行われることがあります。

つまり、処理しきれなかった染料をレーザーによって破壊し、マクロファージが処理しやすい状態を作り出してタトゥーを除去していくということです。

また、表皮を削るだけであれば簡単な治療法なのではないか?という印象を受けますが、この治療法は難易度が高く、経験を積んだ熟練医師でさえも慎重に行うといわれています。

万が一熟練度の低い医師がアブレーションを行った場合では、深く削り過ぎてしまうことも考えられ、ケロイド状の傷跡が残ってしまうことも考えられます。

アブレーションでの治療を希望される場合には、信頼のおけるベテラン医師に任せるということが必須条件となります。

削皮術は焦らずに治療することが重要

タトゥーを早く除去したい方などは一度の施術で完全に取り除きたいと考えるはずですが、焦り過ぎることはオススメできません。思わぬトラブルを招く可能性が高くなるからです。

一度の施術でタトゥーを完全に取り除くには、皮膚を深く削る必要があります。皮膚を深く削ると、表皮の下の真皮に大きなダメージを与えます。表皮に大きなダメージを与えると、肥厚性瘢痕になるリスクが高まるとされています。

肥厚性瘢痕とは、傷跡が赤く盛り上がった状態です。一般的に、ケロイド(医学的な意味のケロイドとは異なります)と呼ばれています。傷跡が汚くなるだけでなく、日常生活に支障を生じる恐れがあります。かゆみや痛み、ひきつれ感やつっぱり感などを生じることがあるからです。

出来るだけ早く治したい気持ちは分かりますが、削皮術に焦りは禁物です。最初からレーザー治療をセットで考えるなど、慎重に治療してくれる医師を選ぶことが重要です。

担当医によって仕上がりが異なる?

アブレーションの仕上がりは、医師の腕に大きく左右されます。たとえば、タトゥー部分の削り方が浅すぎた場合では元のタトゥーが残る可能性があり、また、深く削り過ぎてしまった場合では、細胞が再生されずにケロイド状の傷跡が残ることになります。

それだけではありません。ひどい場合では、ケロイドだけではなく手足のしびれや皮膚感覚の麻痺など、生活に支障が出るレベルの後遺症が残ることもあります。

そして、悪質なクリニックになると、ケロイドを「体質」で片付けられたりすることもあるようですので、医師選びという入り口の段階で失敗してしまうといかに恐ろしいことになるか、ご理解頂けるのではないかと思います。

また、アブレーション後には強度な痛みが現れますので、この部分についても覚悟しておかなくてはなりません。

なぜ術後の経過や傷跡に違いがあるの?

アブレーションは、担当する医師の知識や技術力、経験値が大きくモノをいう治療法です。そのため、知識が乏しく経験値が浅い医師が担当した場合には、イメージとはまったく異なった仕上がりになることがあります。

アブレーションにおいて持っても大切なことは、いかに真皮を傷つけずに治療を行うか?という部分ですが、アブレーションを行う医師が使用する医療機器の取り扱いに慣れていなかったり、じっくりと診察を行わずにいきなりアブレーションを行ったりした場合では、取り返しのつかない傷跡が残ってしまうことも考えられます。

そして、これを避けるためには、一にも二にもなく、アブレーションに慣れた医師を探し出すことが大切です。それには、ヤケド治療や創傷治療の知識が豊富で、なおかつ数多くの症例を目の当たりにしてきた医師を探し出さなければなりません。

では、そのような医師はどのようにして探し出せばよいのでしょうか?

まず、1件クリニックの医師の言うことだけを鵜呑みにしてしまわず、数件のクリニックでカウンセリングを受けてみて、治療法だけではなく、後遺症のリスクについてもきちんと説明してくれる医師を見つけましょう。

また、タトゥー除去に関する口コミはそれほど多くはありませんが、タトゥー除去で失敗したという意見もちらほら見かけますので、参考になるかもしれません。

時間と手間を省いては絶対ダメ

アブレーションは高度な技術と知識を必要とする治療法であるため、当然、時間や手間がかかります。

たとえばカウンセリングの段階で、アブレーションとはどのような治療法なのかという説明はきちんと行われるはずですが、アブレーション後のケア方法についても、詳しい説明を受けておかなくてはなりません。まず、この説明の部分を省く医師は信用できないと考えておくべきでしょう。

そして、技術的な点でいえば、ただ単にタトゥーを消すという意識ではなく、タトゥーを消すのと同時に、いかに傷跡を残さずにアブレーションを行うのか、という点に意識を傾けて治療を行うことが大切です。

たとえば、アブレーションでタトゥー部分を浅く削った場合には、タトゥーの染料が削りきれずに皮膚に残ることがあります。

この段階で、いい加減な判断をする医師であればさらに深く削ることも考えられますが、信頼のおける慎重な医師であれば、残った染料をカミソリや医療器具を駆使して、丁寧に取り除いていきます。

タトゥー除去治療を行うクリニックの中には、”アブレーションを行えば短時間でタトゥーを消すことができる”というような無責任な謳い文句を掲げているところもありますが、そのような謳い文句を間に受けて、気軽な気持ちでアブレーションを受けてしまっては大変危険です。

説明と治療に時間をかける。このような医師であれば、ひとまず信頼できる医師であると判断することができるでしょう。

削皮術を受ける医療機関の選び方

削皮術は、様々なカラーや大きさノタトゥーを除去できる魅力的な治療法です。ただし、デリケートな治療なので、施術を受ける医療機関は慎重に選ばなくてはなりません。どのようなポイントに気を付けて医療機関を選べばよいのでしょうか。チェックしたいポイントを紹介します。

    • 形成外科が在籍している

医療機関は執刀医で選ぶとよいかもしれません。基本的に、形成外科出身の医師がいれば安心して施術を受けられます。削皮術が古くからやけど治療などに用いられてきた治療だからです。形成外科出身の医師であれば、基本的な技術は身に着けていると考えられます。そのうえで、過去の経験や実績などを確認すると良いでしょう。

    • アフタフォローを重視している

どのようなタトゥーであっても1度の削皮術で完全に除去できると説明している医療機関には注意が必要です。皮膚の状態を考慮せず深く削るつもりと考えられるからです。先ほど説明した通り、真皮に大きなダメージを与えると肥厚性瘢痕を生じるリスクが高くなります。タトゥーは消えてもそのあとの生活に困る恐れがあるので注意が必要です。酷い傷跡を残さないように丁寧に治療してくれる医療機関、傷跡が残った場合は傷跡修正治療を提案してくれる医療機関を選びましょう。

    • 傷が治る目安が明らか

傷が治るまで時間がかかる医療機関にも注意が必要です。上皮化に2週間以上かかっている医療機関は、皮膚を深く削っている可能性や術後の処置が杜撰である可能性などが考えられるからです。傷が治るまで時間がかかると、日常生活に様々な支障が生じるだけでなく傷跡が汚くなるリスクが高まります。肥厚性瘢痕になりやすいとされているからです。また、傷口から細菌が感染するリスクも高まります。医療機関を選ぶときは、カウンセリングで施術後のスケジュールなどを確認しましょう。

    • 出血しづらい治療と考えている

事前のカウンセリングでたくさん出血するなど説明をしている医療機関にも気を付けなくてはなりません。技術が未熟あるいは最初から皮膚を深く削ることを予定していると考えられるからです。削皮術は皮膚を削る治療なのでたくさん出血すると思われがちですが、技術力のある医師が執刀すればイメージほど多く出血はしません。皮膚の表面に大量の出血を招くような血管は通っていないからです。出血しづらい治療と考えている医師であれば、安心して任せられるかもしれません。

施術前に抑えておきたい削皮術のポイント

削皮術、様々なリスクが付きまといます。施術前に抑えておきたいポイントを解説します。

    • 痛みを伴う治療

最初に押さえておきたいのが、治療に痛みを伴う点です。施術中は麻酔をかけるので痛みを感じることはありませんが、施術後は痛みを感じます。痛みが苦手な方は注意しましょう。施術後の痛みは痛み止めで緩和できます。緩和できない場合は、合併症を起こしているリスクがあります。念のため医療機関で相談が必要です。

    • 傷跡が残ることがある

傷跡が残りやすい点も注意が必要です。特に、関節部など皮膚が引っ張られる部位は傷跡が残りやすいと考えられています。傷跡の残りやすさは施術内容のほか体質からも影響を受けます。気になる点がある方は、施術の前に医師に相談すると良いでしょう。基本的に、傷跡は時間の経過とともに目立たなくなりますが、肌が露出する部位に傷跡を残したくない方などはよく考えてから削皮術を受ける必要があります。

    • 傷跡が目立たなくなるまで時間がかかる

削皮術を受ければ、その日のうちにタトゥーは目立たなくなります。その代わりにできるのが傷跡です。傷跡はやけどのようになるとされています。傷跡が目立たなくなるまで1年以上かかることが一般的です。また、その間はケアが必要になります。

    • 感染症

術後の管理が悪いと感染症を起こすことがあります。術後は、医師の指示に従い安静に過ごさなくてはなりません。また、傷口のガーゼを交換するなど、清潔を確保するセルフケアも必要になります。大きなトラブルに発展する恐れがあるので、感染症にも注意が必要です。

削皮を受ける際のポイント

では、実際にアブレーションを受ける場合にはどのような点に注意を払うべきか、考えてみることにしましょう。

まず、アブレーションについておさらいをしておきます。

アブレーションは、広範囲に渡るタトゥーや、レーザーで対応することのできないタトゥー除去に効果がある治療法です。

そして、アブレーションを行うにあたっては、熟練度の高い医師を選ぶことと、説明や治療にかける時間を惜しまず、じっくりと時間をかけて丁寧に説明と治療を行う医師であることを確認してから治療を受けることが大切です。

まずはこれらの点に注意を払って医師を決定する必要がありますが、もうひとつ、大切な注意事項があります。

それは、患者がアブレーションを希望しているのにも関わらず、アブレーションの説明はそこそこに、植皮手術を勧めてくる医師に対して、注意をしなければならないということです。

アブレーションと植皮手術はどちらも大掛かりな治療法ですが、どちらかといえば植皮手術のほうが高い技術を必要としません。そのため、比較的安易な植皮手術を勧めてくる医師が出てくるというわけです。

なんとしてでもタトゥーを消してしまいたい。そう思い立つと、居てもたってもいられなくなってしまうこともあるでしょう。ですが、悪質な医師の場合では、そのようなあなたの必死の思いを逆手に取って、自分が得意とする治療法や、比較的難易度の低い治療法を勧めてくる可能性があります

そのような悪質な医師に引っかかってしまわないためにも、とりあえず焦らないこと、これが大切です。ほんの一瞬の判断を誤ったがために、のちのちに大きな後悔を残してしまうこともありますので、タトゥー除去をお考えの際には、じっくりと腰を落ち着けて病院選びを行ってみて下さいね。