かっこいい、お洒落と思っていたタトゥーを消したくなることってありますよね。タトゥーを消すには、それなりの費用と手間がかかります。消し方を慎重に選ぶことが重要です。
タトゥーを消す方法は「レーザー治療」「切除手術」「植皮(皮膚移植手術)」「削皮(アブレーション・剥削)」の4つに分かれます。それぞれの概要とメリット・デメリットを解説します。併せて、今すぐタトゥーを目立ちにくくする4つの方法も紹介します。
このページを見れば、タトゥーの消し方が詳しくわかるはずです。また、自分に合っている方法も選べるはずです。邪魔になったタトゥーをトラブルなく消したい方や素早く消したい方などは参考にしてください。
レーザー治療
レーザーは黒や暗い青などの濃い色に対して反応するという特徴を持っており、明るい色に対する反応が弱いことから、黒や暗い青のみのタトゥー除去に適しています。また、レーザー治療は範囲の広いタトゥーの治療には不向きですので、ワンポイントなどの小さなタトゥーを入れている方におすすめできる治療法です。
レーザー治療の費用はクリニックによってまちまちですが、安価で行っているクリニックでは1㎝四方で800円程度と格安な設定となっていますが、平均的に見ると、ワンポイントでは1個所10,000円前後となっていることが多いようです。
レーザー治療にはヤグレーザー、CO2レーザー、ピコレーザーなどの異なったレーザー治療器が使用されることもあり、使用する器械によっても費用が異なり、1回ではっきりとした効果を得ることは難しく、数回に分けて治療を行う必要があります。
レーザー治療は最もポピュラーなタトゥー除去方法であるといわれていますが、治療中には大きな痛みを感じますので、痛みについては覚悟しておかなければなりません。
クリニックによっては「痛みがほとんどありません」という説明を行っているところもありますが、レーザーを照射するからには、必ず痛みは感じます。
レーザー治療のメリット
レーザー治療には以下のメリットがあります。
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- 手軽に治療できる
消したいタトゥーにレーザーを照射するだけなので、誰でも手軽に治療で出来ます。皮膚を削ることや切開することが無い点は魅力です。
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- 体に負担をかけにくい
大掛かりな手術を必要としないので身体に負荷をかけにくいとされています。日常生活に影響を与えずタトゥーを除去したい方にとって、有力な選択肢になる可能性があります。
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- 施術する部位を選ばない
タトゥーにレーザーを照射するだけなので施術する部位を選びません。顔に入れたタトゥーであっても除去できます。
レーザー治療のデメリット
レーザー治療には以下のデメリットもあります。
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- タトゥーを薄くする治療
目立ちにくくすることはできますが、完全に消すことはできません。タトゥーが目立たなくなるまで時間がかかる点もデメリットとして挙げられます。
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- 治療に痛みを伴う
施術中に強い痛みを感じます。基本的に、麻酔をかけないので、施術中の痛みは他の治療法より強いとされています。
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- 痕が残る可能性がある
熱の力でタトゥーの色素を破壊するので、治療を受けるとやけどを負った状態になります。ケースによっては、タトゥーのデザインに沿ってやけど跡が残ります。また、肌の色が白く抜けることなどもあります。
切除手術
どのような種類のタトゥーにも対応することができる治療法で、範囲の狭いタトゥーでは1回の手術で除去することが可能ですが、広い範囲に入っているタトゥーに関しては、分割切除という数回に分割しての手術で対応します。
また、この治療法には紡鐘(ぼうすい)形切除とジクザク形切除という方法があり、紡鐘形切除はごく小さな面積のタトゥーに対して適用されますが、ジグザク形切除では広範囲に渡るタトゥーの除去を行うことができ、切除する面積を最小限に抑えることができる、手術後の引きつれ感などが少ないなどのメリットを持っています。
ただし、切除手術でタトゥー除去を行うと、ドッグイヤーと呼ばれる皮膚の変形が起こることがあります。これは特に紡鐘形切除に於いて起こる傾向が強いようです。
この方法は、できる限り早くタトゥーを除去してしまいたい方におすすめですが、ドッグイヤーだけではなく、傷跡が盛り上がって残ることがありますので、この部分については納得の上で治療を受けましょう。
この治療法もまた、タトゥーの大きさによって必要な費用が異なりますが、手のひらサイズを基準とした場合では、1回につき1個所25,000円~200,000円前後となっていることが多いようです。
切除手術のメリット
切除手術には次のメリットなどがあります。
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- 1回でタトゥーを除去することが出来る
タトゥーが入っている皮膚を取り除くので、1回の手術でタトゥーを完全に取り除けます。この点が最も大きなメリットです。
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- タトゥーのカラーを選ばない
タトゥーが入っている皮膚を取り除くので、どのようなカラーのタトゥーであっても除去できます。
切除手術のデメリット
切除手術には次のデメリットがあります。
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- 傷跡が残る
皮膚を切除して縫い合わせるので、タトゥーを除去した個所に傷跡が残ります。ケースによっては皮膚が赤く盛り上がるように残ることもあります。
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- 大きなタトゥーの除去には適していない
大きなタトゥーの除去にはあまり適していません。1回で切除しきれない場合は、複数回に分けて除去します。この場合、全てのタトゥーを除去するまで時間がかかります。
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- ドッグイヤー
紡錘形切除の場合、皮膚をアーモンド状に切除して両端を縫い合わせるため、皮膚が少ない箇所と皮膚が余る箇所ができます。そのまま縫い合わせると、皮膚が少ない箇所は凹み、皮膚が余る箇所は膨らみます。このような状態をドッグイヤーといいます。きれいに仕上がらない恐れがある点も知っておきたいデメリットです。
植皮(皮膚移植手術)
タトゥーを切り取った部分に、身体の別の部分から採取した皮膚を移植する方法です。この手術がおすすめなのは、広範囲に渡るタトゥーやカラフルなタトゥーが入っている方、あるいはレーザーでの反応が弱く、除去することができなかった方です。
また、真皮の深い部分にまでタトゥーの染料が入り込んでいると、レーザーでは対応することができないため、植皮手術となることもあります。この治療法は、成功すれば綺麗な仕上がりとなりますが、移植した皮膚が生着しなかった場合には、再手術が必要となります。
また、タトゥー部分だけではなく、移植に必要な皮膚を別の部分から採取しなければなりませんので、リスクが2倍になってしまうというデメリットを持っています。移植した皮膚はおよそ2週間で生着すると考えられていますので、それ以降になっても生着が認められなかった場合では、再手術となる確率が高まります。
この治療法もまた、タトゥーの大きさによって必要が異なり、最低でも1回につき1個所50,000円は必要であると考えられ、クリニックによっては数十万円~数百万円が必要になることもあります。
この手術は、生着率の問題などのリスクか高く、その上高額な費用を必要としますので、手術をお考えの方は慎重に検討すべきでしょう。
また、この治療法は全層植皮と分層植皮に分類され、分層植皮の中のメッシュ植皮が最も生着率が高いと考えられていますが、ウロコ状の傷跡が残るというデメリットを持っていますので、この部分についても知識として頭に入れておきましょう。
皮膚移植手術のメリット
皮膚移植手術には次のメリットがあります。
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- 大きなタトゥーを1度の手術で除去できる
最大のメリットは、切除術では除去しきれないサイズのタトゥーであっても一度で除去できる点です。短期間でタトゥーを除去したい方に適している可能性があります。
皮膚移植手術のデメリット
皮膚移植手術には次のデメリットがあります。
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- 関係ない箇所に傷痕ができる
移植する皮膚を採取する必要があるので、タトゥーとは関係のない箇所に傷跡が残ります。
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- 元通りにはならない
皮膚移植と聞くと綺麗な状態に戻ると考えている方がいるようですが、元通りの状態に戻ることはありません。仕上がりが綺麗といわれる方法(シート植皮)であっても同じです。皮膚の採取面積が少なくて済む方法(メッシュ植皮)の場合、移植した個所にウロコ状の跡が残ります。
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- 生着しない場合は再手術となる
移植した皮膚が生着しない場合は再手術となります。手術のたびに移植する皮膚を必要とするので、傷痕は増えていきます。
削皮(アブレーション・剥削)
特殊な器械でタトゥーを削り取る治療法で、カラフルなタトゥーや広範囲に渡るタトゥーが入っている方におすすめです。この治療法は高い技術力が要求されるため、熟練した医師に任せる必要があり、このような医師が担当した場合では、傷跡が目立ちにくいというメリットを持っています。
ところが、技術力が低い医師か担当した場合では、深く削り過ぎてケロイド状の傷跡が残るなどのトラブルが発生することも考えられます。
この治療法でのタトゥー除去をお考えの方は、クリニックのキャッチコピーだけに釣られてクリニックを選ぶのではなく、口コミをはじめとするさまざまな情報を収集した上で、評判の高いクリニックをピックアップしてカウンセリングを受けてみましょう。
このときに注意したいのは、1件のクリニックで決めてしまうのではなく、何カ所かのクリニックでカウンセリングを受けてみるということです。
また、削る深さが浅かった場合では、タトゥーが残ることがあり、後日レーザー治療で対応することもありますので、この部分についてもカウンセリングでしっかりと確認しておきましょう。
費用は比較的高額な設定となっていることが多く、ハガキサイズ大を基準とすると、500,000円前後の費用が必要となります。
この治療法は難易度が高く、失敗も多いという話を耳にしますし、なんといっても高額な費用を必要としますので、他の治療法と同様、慎重に検討しなければなりません。
削皮術のメリット
削皮術には次のメリットがあります。
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- 大きなタトゥーでも除去できる
皮膚を削ってタトゥーを除去するので、背中一杯に入れた大きなタトゥーであっても除去することができます。また、切除しづらい箇所に入れたタトゥーであっても除去できます。
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- 1回の施術でタトゥーを除去できる
基本的に、1回の施術でタトゥーを除去できます(大きなものは複数回に分けることも)。出来るだけ早くタトゥーを消したい方に適しているといえるでしょう。
削皮術のデメリット
削皮術のデメリットには次のデメリットがあります。
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- やけど跡のような傷跡ができる
皮膚を削るのでやけど跡のような傷跡ができます。時間の経過とともに目立ちにくくなりますが、肌が露出するカ所に入れたタトゥーを除去する方は注意が必要です。また、体質などによっては傷跡がケロイド化することもあります。
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- 執刀医により仕上がりに差が出やすい
執刀医により仕上がりに差が出やすい点にも注意が必要です。形成外科医であれば基本的な技術を身に着けていると考えられます。医療機関を選ぶときの参考にするとよいかもしれません。
簡単に目立たなくする方法
瞬間的にタトゥーを目立たなくする方法をご紹介して行きますが、この方法は根本的にタトゥーを除去する方法ではありませんので、ご承知下さいね。
サポーターを利用する
手首などの部位に限られてしまいますが、瞬間的にタトゥーを隠す方法として最も手っ取り早いのがこの方法です。
タトゥー隠し用のシールを貼る
最近では、タトゥー隠し用シールも販売されていますので、アマゾンやヤフーショッピング等で検索してみて下さい。
見た目が肩こり用シップのような雰囲気ですが、それよりも目立ちませんので、その場でタトゥーを隠したい方におすすめです。
価格は5枚入りで1,600円前後のものなどピンキリとなっていますが、あまりにも低価格な製品の場合では、色が不自然だったり耐水性に欠けたりすることがあります。
ボディスプレーを利用する
シールと同様、タトゥー隠し用のスプレーも販売されています。
このスプレーは、耐水性となっていますので、プールや海の安心。価格は1本2,000円~2,500円前後となっています。
ファンデーションまたはコンシーラーで隠す
ボディ用ファンデーションまたはコンシーラーでタトゥーを隠すことができます。
これらはステージメイクアップ製品を取り扱っている店舗で購入することができるほか、通販でも購入することができます。
価格帯はまちまちですが、高性能製品では1本3,000円前後となっています。