手術跡のケロイドがかゆい時の対処法5つとケロイドが発生しやすい条件

ケロイド かゆい

大きな手術には傷跡がつきものですが、この傷跡がいつまでたってもかゆいといった経験をしたことはありませんか?

それは手術跡がケロイドへと変化してしまったからかもしれません。

ここでは手術跡がケロイドになってしまった場合のかゆみ対策について紹介していきます。

ケロイドとはどんな状態?

まずはそもそもケロイドがどんな状態のことをいうのか説明していきましょう。

ケロイドとは?

人の体に傷ができると、時間の経過とともに傷は治っていき最終的には成熟瘢痕(せいじゅくはんこん)という傷痕になります。

しかし、体質やアレルギー反応などなんらかの原因で傷痕がミミズ腫れのように赤く盛りあがり、この病変が本来の傷跡を超えて広がっていくことがあるのですが、これを「ケロイド」と呼びます。

ケロイドは自然に治りにくいという特徴があり、一度ケロイドができるとその部位に痛みやかゆみを感じやすくなってしまいます。

また、この痛みやかゆみは後で紹介する「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」で生じるものより強く出る傾向にあります。

ケロイドの原因は?

一般的には傷ができても数年経過すれば傷跡も消えてなくなりますが、なぜケロイドが発生するのでしょうか?

実はケロイドが発生する原因はまだはっきりとは解明されていないのですが、ケロイドが発生しやすい条件はいくつか判明しています。

  • 皮膚の色が濃い人種の方がケロイドが発生しやすい
  • 親などがケロイドを発生しやすい場合は、その体質が遺伝してケロイドが発生しやすくなる
  • 5~30歳に多くみられる
  • 首のつけ根、上腕の外側、胸部、肩甲骨部、恥骨部など皮膚のひっぱられやすい部位に発生しやすい

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ケロイドが発生しやすい箇所

基本的に、ケロイドは何かしらの傷が原因で発生します。つまり、傷ができやすい場所に発生しやすいといえます。

傷というと本人が自覚できる切り傷や擦り傷を想像しますが、ケロイドは本人が自覚できないほど小さな傷が原因で発生することがあります。例えば、傷とは言いづらいニキビやBCG注射が原因で発生することもあるのです。

以上の特徴があるので、ケロイドは傷ができやすい場所、刺激を受けやすい場所にできやすいといえるでしょう。具体的には、腕・胸・肩甲骨・下あご、耳たぶなどに発生しやすいといわれています。胸や肩甲骨は下着の金具が当たりやすいから、下あごはニキビができやすいから、耳たぶはピアスを開けることが多いからです。

以上のほかにもケロイドは発生しますが、これらの箇所に特に注意するとよいかもしれません。

肥厚性瘢痕との違い

傷痕が変化したものがケロイドですが、実はケロイドに似た症状として「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」というものがあります。

ケロイドの場合は本来の傷の範囲を超えて広がっていきますが、肥厚性瘢痕はケロイドと同じように傷跡が赤く盛り上がったりミミズ腫れのようになりますが、傷の範囲を超えることはありません。

また生じる痛みやかゆみもケロイドよりも肥厚性瘢痕の方が軽めで、時間の経過とともに盛り上がりも収まり、赤みもひいていきます。

このようにケロイドと肥厚性瘢痕は似たような部分があり、体の中の一方の傷跡はケロイドになり、もう一方の傷跡は肥厚性瘢痕になるといったこともあるため、厳密にケロイドと肥厚性瘢痕を区別するのは難しいのが現状です。

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手術跡のケロイドがかゆいときの対処法

もともとケロイドができやすい体質だった、手術で皮膚が伸びやすい部分をメスで切ったなど、なんらかの原因で手術の傷跡が自然に治る肥厚性瘢痕ではなく、自然には治りづらいケロイドになってしまうことがあります。

ケロイドになってしまった場合に困ることとしては「かゆみ」があげられます。

肥厚性瘢痕の場合もかゆみは感じるのですが、ケロイドの場合はさらにそのかゆみが強くなります。

特に夜布団に入って体が暖まったときなどに強烈なかゆみに襲われるため、なかなか寝付けないこともあります。

かゆいからといってかいてしまえば、そのぶんケロイドが悪化したり肌に新しい傷ができてしまうこともあるため、ケロイドが出来てしまった人にとってはこのかゆみの対処法が非常に重要になってきます。

いくつかケロイドのかゆみ対策をご紹介しましょう。

冷やす

ケロイド かゆい
ケロイドに関わらず体にかゆみを感じたときに、その部分を冷やすという人は多いかもしれません。

人の体は温まると血管が拡張して血行がよくなるのですが、この血管の拡張によって刺激され「かゆみ」を感じることがあります。

そういった場合には、かゆい部分を冷やすと拡張されていた血管が収縮してかゆみが抑えられることがあります。

しかし、冷やすのをやめると再びその部分の温度はあがるわけですから、場合によってはさらに強いかゆみに襲われることもあるかもしれません。

そのため、ケロイドのかゆみを抑えるために冷やすのであれば、「氷などで極端に冷やさず、濡れタオルなどで冷やす」「冷やした後にすぐにお風呂に入ったりして、急激に温めない」という部分に注意したほうがいいでしょう。

ドレニゾンテープ

ドレニゾンテープ

引用元:QLife

ドレニゾンテープは、ステロイドが配合されている貼薬です、

ステロイドには抗炎症作用があるため、ケロイドのかゆみを抑えられます。

目立つ副作用としては、皮膚のかぶれが多いため、異常を感じたらすぐに使用を中止するようにしましょう。

ただし飲み薬ではないため、使うことで全身に副作用があらわれるということはほとんどありません。

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ケナコルト

ケロイド かゆい
ケナコルトというステロイドをケロイド部分に注射することで、ケロイド組織をやわらかくして、痛みやかゆみを抑えられます。

何度か注射を繰り返すとケロイドが小さくなりますが、場合によってはケロイドだけでなく皮膚まで薄くへこんでしまうこともあります。

ヒルドイド

ケロイド かゆい
血行促進、保湿効果があるヒルドイドの塗り薬でケロイドのかゆみを抑えられることもあります。

実際にヒルドイドの塗り薬には、およそ66%の改善率があるというデータもあります。

副作用が極めて少ないため、塗り薬の中でも最も多く処方されている薬のひとつです。

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アットノン

アットノン
小林製薬から販売されているアットノンは、傷跡を消す市販薬として有名です。

抗炎症作用を含んでいるためケロイドのかゆみにも対応できる可能性はありますが、病院で処方される薬に比べれば当然効果も劣るため、ケロイドの状態などによっては効果が得られないこともあるでしょう。

しかし市販薬であるため、病院に行かなくても手に入るというおおきなメリットがあるため、症状が軽い場合には一度試してみる価値はあります。

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ケロイドがかゆくなる原因

ケロイドのかゆみに悩まされている方は、かゆみを強くする原因を押さえておくとよいかもしれません。

かゆみを強くする原因として挙げられるのが血行の促進です。何かしらの理由で血行が良くなるとケロイドのかゆみを感じやすくなると考えられています。

血行を良くする取り組みが、入浴やお布団へ入ること。先ほど紹介した通り、お風呂やお布団にはいって体が温まると、ケロイドのかゆみが強くなると感じる方がいるようです。また、刺激物やお酒の摂取も血行を良くします。よって、これらを摂ることでケロイドのかゆみが強くなることもあります。

かゆみにお悩みの方は、紹介した対策を試すとともに血行を良くする取り組み注意するとよいでしょう。

ケロイドがかゆくてもかかない

色々な対策を講じてもかゆみを抑えられないことはあります。気がつくと、ケロイドができた箇所をかいていることもあるでしょう。

仕方がない行動といえますが、ケロイドをかくことはあまりおすすめできません。皮膚をかき破ってしまうことや感染症にかかるリスクなどがあるからです。

自らトラブルを招くことになるので、ケロイドがかゆくても我慢しましょう。かく前にかゆみを抑える対策を講じることが重要です。対策が有効でない方や無意識にかいてしまう方は、爪を短く切っておくとよいでしょう。皮膚に与える負担を減らせるので、トラブルを防ぎやすくなるはずです。

セルフケアでかゆみがおさまらない場合はケロイド外来へ

ひとことでケロイドと言っても、発生した部位やケロイドの大きさ、本人の体質などによってかゆみやその他の症状も変わってきます。

そのためケロイドのかゆみを抑える方法はいくつかありますが、実際に試してみても望んだ効果を得られない場合もあります。

そういった場合には、ケロイド外来の受診をおすすめします。

一般的に皮膚のかゆみが気になる場合は、皮膚科を受診することが多いでしょう。

しかし残念ながらケロイドの認知度は医師の間でもまだ低く、適切な治療を受けられない可能性もゼロではありません。

ケロイドのかゆみを抑えたり、治療をする場合の選択肢は塗り薬、貼薬、注射、手術など様々あり、ケロイドや患者の状態に合わせて適切なものを選ぶことで最大限の効果を発揮できます。

しかし、ケロイド治療を専門的に扱っていない場所で治療を受けると、本来であれば注射による治療が適切だったのに貼薬による治療をすすめられるといったようなことが起こり得るのです。

そのため、なにをやってもケロイドのかゆみを抑えられず生活に支障が出るようであれば、あまり数は多くはありませんがケロイド外来を受診して専門的な治療を受けた方がいいでしょう。

クリニックで受けられるケロイドの治療

クリニックでは、保存的治療と外科的治療が受けられます。基本的には、保存的治療が優先されます。外科的治療により、ケロイドを大きくしてしまう恐れがあるからです。保存的治療では次の治療などが行われています。

  • 内服薬
  • トラニストという成分を含む内服薬が用いられています。アレルギー治療に用いれる成分ですが、ケロイドが大きくなるのを抑える効果やかゆみや痛みを抑える効果があります。保険適応がある点もポイントです。

  • 外用薬
  • 抗炎症効果を期待できるステロイドが入ったテープや軟膏を使用します。ケロイドが大きくなるのを防ぐ効果のほかかゆみ、赤みを抑える効果があります。ステロイドが入ったテープを正常な皮膚に貼ると赤みを生じます。ケロイド部分だけに貼ることがポイントです。

  • 局所注射
  • ステロイドをケロイドに注射します。直接、注射するので、外用薬より効果は高いと考えられています。

  • 圧迫療法
  • シリコンシートなどを用いてケロイドを圧迫する治療です。血流を低下させることでケロイドが大きくなることを防げるといわれています。また、シリコンシートなどでケロイドを覆うことで、外部から加わる刺激を減らすこともできます。

  • 放射線治療
  • ケロイドに電子線を照射する治療です。ケロイドのでき初めに有効な治療と考えられています。

ケースによっては、外科的治療、すなわち手術を行うこともあります。外科的治療では、ケロイドを切除して周囲の皮膚を細かく縫い合わせます。再発のリスクが高いので、術後は紹介した保存療法を用いて予防に努めます。再発の予防で特に有効と考えられているのが放射線治療です。術後の早いタイミングで始めることで、ケロイドが大きくなるのを防ぐ効果があります。ただし、皮膚障害や色素沈着のリスクがあるので、しっかりとした管理のもと行う必要があります。

クリニックを受診すれば以上の治療などが受けられます。かゆみはもちろん、ケロイドの増殖を抑えられる可能性がある点が魅力です。ただし、治療を受ければ誰でもケロイドが綺麗に治るわけではありません。症状は軽減できても、期待した結果を得られないことはあります。治療を受ける前に、どのような効果を期待できるか確認しておくことが重要です。

ご興味のある方は、クリニックに一度相談してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

  • ケロイドは自然に治りにくいという特徴があり、一度ケロイドができるとその部位に痛みやかゆみを感じやすくなる。
  • かゆいからといってかいてしまえば、その分ケロイドが悪化したり肌に新しい傷ができてしまうこともあるため、ケロイドが出来てしまった人にとってはこのかゆみの対処法が非常に重要。
  • 何をやってもケロイドのかゆみを抑えられず生活に支障が出るようであれば、ケロイド外来を受診して専門的な治療を受けるようにする。