一部では、オロナインで傷跡を消すことが出来るといわれているようです。
本当に、オロナインで傷跡を消すことはできるのでしょうか。効果や成分などから実際のところを解説します。併せて、利用する上での注意点も紹介します。
オロナインで傷跡をケアする前に確認しておきましょう。
オロナインの効能と効果
オロナインの効能は一体どういったものがあるでしょうか。具体的な効果や、それをもたらす成分について見ていきます。
殺菌効果
オロナインには殺菌、消炎効果のある成分が含まれているので、軽い切り傷や擦り傷には効果があります。
特に殺菌というところから、ワキガや足の臭い等といった、細菌が原因となって発生している臭い対策にも効果があります。
保湿効果
オロナインには保湿成分が含まれています。このことから、肘やかかとなどの、乾燥して硬くなった皮膚に塗るのも効果があります。
美容効果
特に美容目的でオロナインを使用している人も多いです。
たとえば、鼻の黒ずみ対策です。鼻の黒ずみというのは、乾燥して開いた毛穴に角質などが詰まってできるものです。ですので、オロナインを塗布して保湿することによって、改善されることがあります。
にきびにオロナインを塗ると効果があるという人も多いです。これは、オロナインの殺菌効果、保湿効果がともに関係しています。特ににきびのなかでも赤にきびという痛みがあって炎症している状態のにきびに効果があると言われています。
赤にきびにオロナインを塗ると、オロナインの殺菌効果によって早くにきびの炎症が治まるというわけです。
また、こういったにきびは乾燥からくる毛穴のつまりによって発生していることが多く、にきびが出来た所は乾燥していたりします。そこで、オロナインの保湿効果によって乾燥を防ぐことができます。
敏感肌の人の使い方
オロナインを使った黒ずみ対策にしてもにきび対策にしても、敏感肌の方はオロナインの成分が強すぎることがあります。このような場合には、オロナインを水で薄めて使うのがおすすめです。
オロナインの成分
クロルヘキシジングルコン酸塩液という殺菌成分が、オロナインの主成分となっています。
後は、グリセリンやワセリンという保湿効果のある成分も含まれています。
ラウロマクロゴール、硫酸アルミニウムカリウムという止血効果のある成分も配合されています。
ですので、少量の出血があるような軽微な傷であったり、少し乾燥している所に塗るのが推奨されています。
オロナインはどんな傷に有効なの?
オロナインには殺菌成分が入っているので、軽いすり傷には有効です。それこそ、少しカミソリで顎を切ってしまったとか、紙で指を切ってしまったときのような軽い傷です。
そうではなくて、放っとくと化膿する危険があるような傷には、オロナインはおすすめできません。
そもそも、こういった傷は消毒をしないほうが現在では正しいとされています。
以前は、傷を負ったらとりあえず化膿を防ぐために消毒薬を塗って、そしてなるべく乾燥させてかさぶたを作るということがなされていました。
傷は消毒をしないほうがいい理由
しかし、今ではまったく違うことが正しいとされています。
特に傷を負った場合、水道水で汚れを流すだけで充分で、後は保湿を心がけることが大事だと言われています。消毒薬を塗るのはもってのほかということが、色々な研究によって証明されるようになっています。
皮膚にはさまざまな菌が住んでいます。それこそ良い働きをする菌もいれば、毒となる菌もいるわけです。
確かに、消毒薬はこういった悪影響を及ぼす菌も殺すことができますが、こういった悪い菌と戦って皮膚を健康に保ったり、修復したりすることができる能力を持っている菌も殺してしまいます。
これによって、消毒薬をつけると治りが遅くなり、かつ傷跡も残りやすくなってしまいます。
オロナインには強くはありませんが、確かに殺菌成分が含まれています。ですので、軽微な傷はオロナインによって早く治ることがあります。
しかし、一定以上の傷を負ったような場合には、オロナインをつけると逆効果になってしまいます。
傷からは消毒薬をつけなければ、勝手に分泌液が出て、これにはそれこそ傷を早く治す働きをもつ良い菌や保湿成分が含まれています。
こういったものの効果によって、オロナインをはじめとする殺菌成分が配合された物を塗布するよりも、遥かに早く、そして綺麗に傷が治ります。
こういったところから、オロナインを使用するのは、非常に軽微な傷に限ったほうがいいでしょう。
かさぶたができたり、分泌液が出てくるような傷の場合には、オロナインは塗らないほうがいいです。
オロナインには抗生物質が含まれていない
特にオロナインには抗生物質が含まれていないので、化膿を防ぐ効果はありません。
しっかりと水道水で流していたり、NGですが消毒薬をしっかりと塗っていたような場合であっても、錆びた鉄柵で刺してしまったり、砂場で遊んでいる友達に引っかかれたような場合には、化膿することがあります。
こういったときにオロナインを塗っても、より悪化させるリスクがあるだけです。
このような場合には、病院に行ってゲンタシンという抗生物質が含まれている軟膏を処方してもらう必要があります。
傷跡にオロナインをつけても意味はない
よく、傷跡にオロナインをつけたら薄くなったという声が上げられています。これは、基本的にはオロナインによるものではないといえます。
オロナインの有効成分というのは、殺菌剤としてのクロルヘキシジングルコン酸塩液と、保湿成分としてのグリセリンとワセリンです。
いずれも分量としてはそれほど多くはないですから、少しの殺菌効果と、保湿効果を期待するというのがオロナインの成分から見た性質です。
そして、傷跡にオロナインをつけても、こういった殺菌効果と保湿効果があるだけなので、それによって大きく傷跡が改善されるということは考えられないわけです。
ただし、保湿効果があることは確かなので、傷跡の部分が乾燥していたような場合には、保湿がなされて正常なターンオーバーを取り戻し、それによって傷跡が薄くなったということは考えられます。
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傷跡にオロナインをつけるのはリスクのほうが高い
オロナインはクリームですから、界面活性剤が配合されています。
この界面活性剤というのは何かというと、いわゆる洗浄剤で中性洗剤に大別されます。それこそシャンプーや食器の洗剤、洗顔フォームなどに含まれているのが、この界面活性剤というものです。
界面活性剤はついたらすぐに洗い流さないといけないものです。洗浄する効果があるものですから、つけっぱなしは肌に刺激になってしまうからです。
最近では、こういった界面活性剤の肌に与えるダメージについて、多くの人が指摘するようになっています。
そこで、洗顔石鹸や無添加シャンプーなど、界面活性剤を使用していないスキンケア商品が人気を集めるようにもなっています。
オロナインには界面活性剤が含まれています。
そのため、これを傷跡につけるということは、肌に刺激を与えてしまうので、これによってよけいに傷跡の色素沈着がひどくなってしまったり、肌が荒れてしまうということもありえます。
オロナインではなくてワセリンのほうが保湿にはおすすめ
確かに、個人によっては保湿成分がうまい具合に働いて、いい結果を生むこともあるでしょう。しかし成分的に見れば、リスクのほうが高く、実際にオロナインをつけて悪化している人は多いです。
もしも傷跡が乾燥しているということであれば、オロナインではなくてワセリンを塗るほうがおすすめです。
そうすれば、それによって保湿がなされて正常なターンオーバーを取り戻し、傷跡が薄くなっていくことがあります。
このように、ワセリンのほうがオロナインよりもリスクなく保湿することができます。
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目の周りは絶対NG!
美容整形で目頭切開などをして、その傷跡が気になったときに、オロナインを塗ったほうがいいという話があります。
あるいは、オロナインを塗ると二重になるとか、涙袋が形成されるという声もあります。
しかし、これらは基本的に間違いです。既に指摘したように、オロナインには界面活性剤が含まれていて、これは皮膚に刺激になるものです。
そして特に、目の周りというのは皮膚が薄くデリケートな部位です。オロナインを塗ることによって逆に荒れたり、ただれたりすることがありますから、目の周りには使用しないようにしましょう。
まとめ
- 軽い切り傷や擦り傷、細菌が原因となって発生している臭い対策にも効果がある。
- かさぶたができたり、分泌液が出てくるような傷の場合には、オロナインの使用を控えましょう。
- 目の周りというのは皮膚が薄くデリケートな部位なので、絶対に使用しないようにしましょう。