タトゥーを入れてからしばらくして、入れたことを後悔する方は少なくないのではないでしょうか。
女性であれば、ウェディングドレスを着るときや、男女ともに水着を着用する機会には、どうしても刺青の存在がうっとうしく思えてしまうもの。
今回は、そんな後悔や、タトゥー除去の難しさ、後遺症、リスクについてお話ししたいと思います。
目次
タトゥー除去は難しい
時代の流れでしょうか、若い世代の人を中心に、気軽な気持ちでタトゥーを入れる人が増えてきましたね。ですが、ある統計によると、タトゥーを入れた人の3人に1人の割合で、「タトゥーを消したい」と感じているという結果が出ています。
また、タトゥーを入れる人の問題点は、「嫌になったらタトゥーを消してしまえばいい」と、簡単に考えているところにあります。というのは、入れるときは簡単でも、いざ消すとなると容易でないのがタトゥーだからです。
そして、いったん入れたタトゥーは、除去治療を行ったとしても完全にタトゥーを入れる前の皮膚に戻すことが難しく、多かれ少なかれ傷跡が残る確率が高いといわれています。ではなぜ、完全にタトゥーを消すことがそこまで難しいのでしょうか?
まず、タトゥーにはさまざまな種類があり、黒色の単色で、なおかつワンポイントのような小さなものであれば、レーザー治療で目立たないレベルにまで消すことができるでしょう。ですが、この場合でも100%タトゥーが消えるわけではありません。
また、広範囲に渡るタトゥーや多色使いのカラフルなタトゥーの場合では、レーザー治療だけでは対応しきれず、切除手術、植皮手術、削皮手術などの治療法を選択しなければならなくなることもあり、このような手術においては、なにかしらの傷跡が残るというリスクを覚悟しておかなくてはなりません。
特にタトゥーの染料が真皮層にまで到達している場合では、数回に及ぶ手術が必要となることもあります。
あなたが現在、タトゥーを消したいとお考えなのであれば、タトゥーの100%除去は難しく、また、手術そのものは成功したとしても、手術痕が残る可能性が高いということを頭に入れておきましょう。
タトゥー(刺青・入れ墨)除去治療の効果と後遺症
それでは、タトゥー除去治療の効果とリスクについて考えてみることにしましょう。
レーザー治療
タトゥーに使用されている色が黒の単色、または黒色に近い色だけで構成されている場合に適した治療法です。
また、染料が表皮の浅い部分にだけ入っており、真皮に到達していなかった場合では、薄くすることは可能です。
ですが、完全に消し去ることは難しいと考えておくべきいでしょう。また、レーザー治療は激痛を伴い、なおかつヤケドがケロイドとして残るリスクもあります。
切除手術
一般的にはワンポイントのような小さなタトゥーの除去に適した方法であると考えられ、紡鐘(ぼうすい)形切除とジグザク形切除に分類されています。
また、範囲の広いタトゥーの場合では、数回に分けて手術を行う分割切除という方法が適用されます。
紡鐘形切除は小さなタトゥーの除去に適しており、タトゥーそのものを切り取ってしまうため、その場でタトゥーをなくすことができます。ところが、傷跡が残るというリスクが伴います。
また、ジグザグ形切除の場合では、紡鐘形切除よりも傷跡が残りにくいといわれていますが、やはり傷跡が全く残らないということではありませんし、広範囲に渡るタトゥーを分割切除で処理し続けた場合には、徐々に手術痕が硬く盛り上がり、目立ってくるというリスクもあります。
さらに、引きつれ感が残ることもあり、ひどい場合ではしびれや痛みが現れることもあります。
植皮手術
ご自身の身体の一部の皮膚を切り取って、切り取ったタトゥー部分に移植するという方法です。
この方法は、タトゥー部分だけではなく、健康に皮膚の一部を切り取るわけですから、二重のリスクを背負うことになり、さらに移植した皮膚が生着しなかった場合には、再手術が必要になります。
また、タトゥー部分、衣装のために皮膚を切り取った部分ともに、完全に元の状態には戻らないという点も、リスクとして挙げることができます。また、メッシュ植皮という方法は最も生着率が高いといわれていますが、ウロコ状の手術痕が残るというリスクを伴います。
削皮手術
タトゥー部分を特殊な医療機器で削り取る手術ですが、医師の技術によって明暗を分ける、難易度の高い治療法です。
また、皮膚を削り過ぎてしまった場合には、その部分がケロイドとして残ることがあります。この方法は、成功すれば綺麗な仕上がりとなりますが、失敗した場合には大きな傷跡が残ります。
ダウンタイムや後遺症を知っておこう
まず、どのような治療法を選んだとしても、そのときに生じた傷跡はすぐに治るというものではなく、数週間~数カ月のダウンタイムが必要となります。
また、受ける治療法によっては1カ月間程度入浴することができないといった事態が発生することもあり、さらに、タトゥー除去のための治療はすべて成功するとは限らず、傷跡が残ったり、場合によっては後遺症が残ったりすることもあります。結婚や就職のためにタトゥー除去を決意したとしても、後遺症が残ってしまっては元も子もありません。
タトゥー除去のための治療を受けるのであれば、スケジュールはもちろんのこと、その後の傷跡や後遺症についても頭に入れておかなくてはなりません。
また、ご本人がタトゥー除去を希望している場合であっても、医師の判断によっては治療を行わないほうが妥当であるという結論に落ち着くこともあります。
必ずしも手術で消すという考えは危険?
ウェディングドレスや水着は、どうしても肌の露出度が高くなるため、タトゥーが目立ってしまいますよね。そこでタトゥーを消したいと考える女性が多いようですが、タトゥー除去のための治療は、どうかすると大きな傷跡が残ってしまう可能性もあります。
特に結婚式など一生の思い出となる場では、傷跡が目立ってしまおうものなら大変です。
つまり、結婚式でタトゥーを隠したいのであれば、焦って治療を受けるのではなく、とりあえずその場はコンシーラーでタトゥーを塗りつぶし、目立たない状態にしておくことがベストであるということです。
また、撮影会などの特殊なケースを除くと、水着を着用する季節は夏でしょう。ですが、春から夏にかけては湿度が多くなる日が多く、手術後に傷跡が化膿してしまい、治りが遅れることも十分に考えられます。
タトゥー除去のための治療はすべてリスクを伴いますので、焦って行うべきではありません。急場を切り抜けたいのであれば、とりあえずコンシーラーで隠すという方法があるということも知っておきましょう。
タトゥー除去は慎重に検討を!
タトゥー除去のための治療は、どの方法であってもリスクを背負うことは間違いありません。
タトゥー除去の中で最もお手軽なのはレーザー治療ですが、この治療法であっても、タトゥーを完全に消すことは難しく、高額な費用を必要とするばかりではなく、治療中の激痛やその後の傷跡などのリスクを伴います。つまり、軽々しく行うものではないということですね。
タトゥー除去のためにクリニックを訪れると、今すぐにでも治療をしましょうという勧誘を受けることがありますが、このような勧誘にやすやすと乗ってしまってはいけません。というのは、そのクリニックが利益追求主義で、いい加減な治療が行われることも考えられるからです。
タトゥー除去にはさまざまな方法があり、それぞれにメリットとデメリットを持っています。本当に信頼の於けるクリニックであれば、メリットだけではなくデメリットやリスクの部分についてもきちんと説明が行われるはずですので、この点にだけは十分に注意して下さいね。
刺青を入れることのリスクを理解することが大切
タトゥーを入れる若い世代の方のほとんどは、タトゥーをファッションとして捉えているようです。
ですが、タトゥーをファッションとして捉える方が存在している反面、タトゥーは反社会的勢力の象徴であると捉える方もまた、存在しているということを忘れてはなりません。
ほんの軽い気持ちで入れたタトゥーが、あなたという1人の人間の人物像まで歪めてしまうことも十分に考えられます。つまり、タトゥーは入れないことがベストであるということです。