傷跡を消したい方は市販の傷跡用クリームを活用するとよいかもしれません。
このページでは、傷跡を消すといわれる3つの傷跡用クリームとそれぞれの特徴、販売価格などを紹介しています。併せて、自分でケアできない傷跡の治し方も解説しています。
傷跡にお悩みの方はチェックしましょう。
傷跡に効果のあるクリームとは?
手や脚など、気になる箇所にある傷跡を消したい、目立ちにくくしたい。そのようなときは、傷跡用のクリームを使用するという方法があります。
出来たばかりの傷跡だけでなく、1~2年前の古い傷跡などにも効果があります。
今回ピックアップするクリームは以下の3つです。
- 「アットノン」(小林製薬)
- 「ヘパリンZクリーム」(ゼリア新薬)
- 「モデム パリダクリーム」(タイヨー)
どれも人気で評判の高いクリームです。それぞれのクリームの成分や効能、特徴、価格などについて詳しくお伝えしていきますね。
アットノン
アットノンは、小林製薬が販売している傷跡を消すためのクリームで、テレビCMでもお馴染みの市販薬です。
小林製薬の女性社員が、自転車で転んでしまったときの傷跡をずっと気にしていたため、「その傷跡を治せる薬があったらいいな」という思いがアットノン開発のキッカケになったようです。
その後、アイディアを出し合い、2007年6月にテーマ化され、2010年4月に承認取得。2010年5月から中国・四国地区でテスト販売し、2011年3月に全国発売されました。
小林製薬のスローガン「“あったらいいな”をカタチにする」を象徴する開発エピソードといえそうです。
アットノンはシリーズ化されており、「アットノン」「アットノンクリーム」「アットノン コンシーラータイプ」「アットノンローション」の4タイプが発売されています。
4タイプとも、成分・効能の表示に違いはありません(含有する添加物は異なります)。使用感が良いと評判なのは、ジェルタイプの「アットノン」や、クリームタイプの「アットノンクリーム」です。
アットノンの成分は「ヘパリン類似物質」と呼ばれる有効成分です。ヘパリン類似物質には以下の作用があります。
- 水分保持作用
角質に水分を保持させ、保湿性や柔軟性を回復 - 抗炎症作用
皮膚の炎症を鎮め、皮膚の正常化機能を回復 - 血行促進作用
血流の循環を良くし、皮膚の新陳代謝を促進
傷跡は、毛・汗腺・皮脂腺などが欠如しており、乾燥しやすい状態になっています。そこで、「水分保持作用」によって傷跡の保湿性や柔軟性を回復させます。
また、傷跡の真皮の中では慢性的に炎症が起きています。これを「抗炎症作用」で鎮め、皮膚の有する正常化機能を回復させます。
そして、「血行促進作用」により、皮膚の新陳代謝を促進させます。
これが傷跡を消す仕組みです。
アットノンの効能についてですが、切り傷や擦り傷などの傷跡にはもちろん効きますし、やけどの跡にも効きます。また、角化症、手指の荒れ、手足のヒビや赤切れ、乾皮症、しもやけ、打身やねんざのはれ、筋肉痛、関節痛などにも効果があります。
使用上の注意としては、出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病など)の方は使用できません。また、目や目の周囲、口腔・鼻腔などの粘膜にも使用できません。
アットノンは市販薬のため、薬局やドラッグストアで購入できます。ネット通販でも購入可能です。
気になるお値段ですが、希望小売価格は下記の通りです。
用量 | 希望小売価格 | |
---|---|---|
アットノン(ジェル) | 15g | 1,300円 (税込1,404円) |
アットノンクリーム | 15g | 1,300円 (税込1,404円) |
アットノン コンシーラータイプ |
10g | 1,300円 (税込1,404円) |
アットノンローション | 25g | 1,600円 (税込 1,728円) |
あくまで希望小売価格なので、実際の価格は販売店や通販サイトなどによって前後します。
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ヘパリンZクリーム
ヘパリンZクリームは、ゼリア新薬が販売している傷跡を消すためのクリーム(市販薬)です。
ヘパリンZクリームの成分は「ヘパリンナトリウム」です。血液の循環を促進したり、炎症を抑えたりする作用があります。
ヘパリンZクリームの成分「ヘパリンナトリウム」と、アットノンの成分「ヘパリン類似物質」は名前が似ていますが別物です。
ヘパリンナトリウムはヘパリン(ムコ多糖類と呼ばれる糖類の一種)から精製されるナトリウム塩です。ヘパリン類似物質は、ヘパリンと類似した働きのある物質(ヘパリンに構造を似せて開発されたもの)です。
ヘパリンから精製されたものと、ヘパリンに構造を似せて開発したもの。どちらがよいかは甲乙つけがたいですね。ヘパリン類似物質の方は保湿性(水分保持作用)にも優れています。
ヘパリンZクリームの効能ですが、切り傷、擦り傷、やけどなどの傷跡に効きます。また、打身やねんざのはれ、しもやけ(ただれを除く)、筋肉痛や関節痛にも効きます。
使用上の注意としては、出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病など)の方は使用できません。また、目や目の周囲、湿潤やただれの酷い患部にも使用できません。
ヘパリンZクリームは市販薬のため、薬局やドラッグストアで購入できるほか、ネット通販でも購入できます。
価格は、単品用量18gで1,200円前後が相場です。
【関連記事】傷跡を消す薬と言えばヘパリンZクリーム?効果と副作用は?
モデム パリダクリーム
モデム パリダクリームは、タイヨーが販売している保湿成分の含まれているクリームです。美容クリームですが、顔の傷跡やニキビ跡などを改善する用途でも使用できます。
モデム パリダクリームの成分は、カタツムリエキス、アロエエキス、オーガニックエキス、温泉水(湯村温泉)などの保湿成分です。特に注目の成分はカタツムリエキスです。
カタツムリエキスとは、カタツムリの分泌液から有効成分を抽出・精製したものです。保湿性、抗炎症性、肌荒れ防止効果、美容効果などがあります。
フランスではエスカルゴ(食用カタツムリ)の養殖が盛んなのですが、その養殖業者の手が綺麗であり、傷の治りも早かったことから、カタツムリの研究が進んだといわれています。
タレントのIKKOさんも、カタツムリエキスが配合されたクリームを愛用しているそうです。
それでは傷跡への効能はどうかというと、モデム パリダクリームは顔全体に塗ることができますので、顔にある傷跡、クレーター、ニキビ跡などの改善が期待できます。
※モデム パリダクリームは、洗顔やローションの後に適量を取り、顔全体に塗って使用します。
ただし、モデム パリダクリームは、アットノンやヘパリンZクリームとは異なり、市販薬(医薬品)ではありません。あくまで美容クリームです。そのため、手や脚など特定の部位の傷跡を消す効果は、アットノンやヘパリンZクリームのほうが強力に作用します。
とはいえ、モデム パリダクリームは顔全体を保湿して美容効果を得ながら、細かな傷跡、クレーター、ニキビ跡などをケアすることができます。使い分けが大切ですね
※アットノンやヘパリンZクリームは目や目の周囲に使用することができないため、顔全体に塗るということもできません。
モデム パリダクリームは化粧品売り場やドラッグストアなどで購入することができます。また、ネット通販でも購入することが可能です。
価格は、単品用量40gで2,000円ほどが相場です。
傷に有効な成分って?
アットノンなどの傷跡用のクリームは、傷が治ったあとの傷跡を消すために使用するものです。
まだ治っていない傷や、治っている途中の傷(乾いていないジュクジュクした傷など)に対して使用することはできません。それは傷薬の担当です。
そこで、傷薬などに含まれている、傷に有効な成分についてもご紹介します。
- 殺菌成分
塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、オキシドール、アクリノール、エタノール、グロコン酸クロルヘキシジン、ポビドンヨード、ヨードチンキなど
- 鎮痛成分
塩酸ジブカイン、安息香酸エチル、リドカイン、テシットデシチンなど
- 止血成分
塩酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリンなど
- 組織修復成分(傷の修復を早める成分)
アラントイン、アルミニウム・クロルヒドロキシアラントイネート、酸化亜鉛など
- 保湿成分
ワセリン(白色ワセリン・黄色ワセリン)、グリセリン、オリブ油、尿素など
傷薬には、殺菌成分、鎮痛成分、止血成分、組織修復成分、保湿成分などが含まれているので、傷薬を塗ると痛みが鎮まったり、傷が早く治ったりするわけですね。
本気で傷跡を治療したいと思うなら
大きな傷跡、深い傷跡、古い傷跡(3年以上前の傷跡)など、傷跡の中にはクリームでは消しにくい傷跡もあるでしょう。
そのような傷跡を本気で治療したいと思うなら、傷跡修正の専門クリニックを受診するという選択肢もあります。
専門クリニックとは、傷跡修正に対応している美容皮膚科、形成外科、美容外科などのことです。
専門クリニックでの治療法は、主に縫合やレーザーによるものです。傷の大きさなどにもよりますが、どちらの方法でも高い治療費(数万円~数十万円の額)になる可能性があります。
初回カウンセリング、初回診断、見積もりだけなら無料の専門クリニックも多数あります。
おすすめは『中央クリニック』です。
無料カウンセリングはもちろん、親身に相談に乗ってくれるドクターが揃っています。
ご興味のある方は、一度相談してみてはいかがでしょうか。
傷跡修正の無料カウンセリングを行なっている中央クリニックの公式サイトはこちら
【関連記事】傷跡修正で人気の高いクリニック4選
まとめ
- 手や脚など特定の部位の傷跡を消す効果は、アットノンやヘパリンZクリームのほうが強力に作用する。
- 傷薬には、殺菌成分、鎮痛成分、止血成分、組織修復成分、保湿成分などが含まれている。
- 専門クリニックでの治療を検討する場合は、医師としっかり相談したうえで決めましょう。