タトゥーを除去したいものの、レーザー照射や皮膚の切開を避けたい方は多いはず。
このような願いをかなえる新しい治療法として注目を集めているのがタトゥーアウェイです。
タトゥーアウェイとはどのような治療なのでしょうか。詳細とメリット・デメリットなどを詳しく解説いたします。
タトゥーアウェイ(Tatt2Away)とは?
タトゥーアウェイ(Tattoo Away、Tatt2Away)とは、タトゥーや刺青を除去するための新しい治療法です。
極細の回転針(マイクロニードル)で皮膚の表面を浅く削り(アブレーション)、高濃度の乳酸を注入することでタトゥーや刺青の色素を除去します。
そんな新しい治療法、タトゥーアウェイのメリットとデメリットをご説明します。
タトゥーアウェイのメリット
タトゥーアウェイのメリットは、従来のタトゥー・刺青除去法である「切除法」や「レーザー治療」の欠点を補えることです。
▼メリット1. 色数に関わらずどんな色でも除去できる
タトゥーアウェイはどんな色のタトゥー・刺青でも除去することができます。
レーザー治療の場合、黒や紺のタトゥーは比較的キレイに取ることができるのですが、赤・青・黄・緑・オレンジ・ピンクなど色味のあるタトゥーに関してはレーザーが反応しにくく、消しにくいという欠点があります。
タトゥーアウェイはこのレーザー治療の欠点をカバーしており、全色除去が可能です。
▼メリット2. 皮膚を切らないで除去できる(傷跡が残りにくい)
タトゥーアウェイは皮膚を切らないため、傷跡が残りにくいです。
切除法の場合、皮膚と一緒にタトゥーや刺青を切除するため、どうしても傷跡が残ってしまいます。タトゥーアウェイの場合は、極細の回転針で浅く削ったあとに乳酸注入するという方法のため、ほとんど傷跡が残りません。治療後はかさぶたが形成され、そのかさぶたが自然と剥がれ落ちることで、色素が抜けた新しい皮膚へと入れ替わります。
傷跡が残りにくい、大きな傷跡を残さないという点から、タトゥーアウェイは切除法の欠点をカバーしているといえます。
タトゥーアウェイのデメリット
切除法やレーザー治療の欠点をカバーしているタトゥーアウェイですが、メリットだけではありません。タトゥーアウェイのデメリットについてもご説明します。
▼デメリット1. 治療期間が長い
タトゥーアウェイは治療にかかる期間が長いです。
一回の施術で薬剤を注入できる範囲は限られているため、一回の施術で全除去することはできません。一回の施術で除去できる面積は、ドット状に間隔をあけて全体の約1/4程度です。これを4回~5回ほど繰り返すことで、タトゥー・刺青を完全除去します。
また、一回施術を行う毎に、最低2ヶ月間ほど期間を置く必要があります。そのため、完全除去するのに6ヶ月~8か月ほどは掛かると考えておいたほうがよいです。
タトゥー・刺青のサイズが大きいほど治療期間も長くなるので、1年~2年ほど掛かることもあります。あらかじめ医師にどの程度の治療期間を要するのか聞いておきましょう。
▼デメリット2. 色素脱失、色素沈着、肥厚性瘢痕のリスクがある
タトゥーアウェイは傷跡が残りにくいですが、皮膚の表面を浅く削るため、その治療部位が瘢痕化(はんこんか)するリスクがあります。
具体的には、治療部位に対して下記のリスクがあります。
- 色素脱失
周囲の皮膚と比べて治療部位が白い(白抜けした)状態になること。
- 色素沈着
周囲の皮膚と比べて治療部位が茶色い状態になること。通常は色素沈着しても少しずつ目立たなくなりますが、最終的に少し残ることがあります。
- 肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)
皮膚の表面を浅く削った刺激により、皮膚がもりあがった状態になること。いわゆるミミズ腫れの状態です。ケロイドとは異なり、治療部位よりはみ出して広がることはありません。

引用元:横浜美容クリニック
あくまで可能性の話ですが、こういうリスクがあるということは知っておきましょう。
また、リスクを少しでも回避、軽減するために、治療実績が豊富なクリニックや、信頼できる医師を探して相談することが大切です。
こんな人におすすめ
下記のような人にタトゥーアウェイはおすすめです。
|
タトゥーアウェイで施術ができない人
下記に該当する人はタトゥーアウェイの施術ができません。
など |
その他、ステロイドを内服中の方、血糖コントロール不良な糖尿病の方、悪性腫瘍の方、心臓病の方、てんかんの方、ペースメーカの方なども施術してはならない場合があります。治療を受ける前に必ず主治医やタトゥー除去の担当医に確認しておきましょう。
施術
タトゥーアウェイの具体的な施術の流れや、アフターケアについてご説明します。
施術の流れ
施術のおおよその流れは下記の通りです。
- カウンセリング
- 麻酔
- 施術(マーキング、アブレーション、薬剤注入)
- ドレッシング
1. カウンセリング
ここでいうカウンセリングとは、治療前に医師と相談したり、診察を受けたりすることです。
タトゥーアウェイが向いているか、タトゥーアウェイを施術できるか、治療期間や費用はどのくらいか、といったことを医師の診察を通じて話し合います。
初回カウンセリング・初回診療を無料で行っているクリニックもあります。
2. 麻酔
施術部位に麻酔をします。麻酔クリームなどを使用します。
麻酔をしてから30分程度おく場合もあります。
3. 施術(マーキング、アブレーション、乳酸注入)
施術部位に一定間隔でドットをマーキングします。
マーキングした部位をマイクロニードルで削皮(アブレーション)しながら、乳酸注入を行います。
施術時間はタトゥーのサイズやクリニックによって異なります。目安としてはハガキ大1枚のサイズで30分程度です。
4. ドレッシング
施術部位にガーゼ、テープ、包帯などをあてます。
このような流れで施術が行われます。
施術は1回では終わらず、通常4回~5回行うことになります。
施術を行ったあとは最低2ヶ月ほど間をあけるので、完全除去に6か月~8か月ほどは掛かります(サイズが大きい場合はそれ以上の治療期間になることもあります)。
アフターケア
施術後のアフターケアについてご説明します。
細かい内容はクリニックにより異なりますので、一般例として参考にしてください。
|
このようなことを指導されるはずです。
具体的なアフターケアについては、医師からしっかり聞いておきましょう。
費用
タトゥーアウェイの費用は、タトゥーのサイズ(面積)によって変わります。
タトゥーアウェイの料金体系の一例をご紹介します。
面積 | 値段 |
---|---|
~10 cm2 | 36,000円 |
11~30 cm2 | 58,000円 |
31~60 cm2 | 79,500円 |
61~90 cm2 | 101,000円 |
91~120 cm2 | 123,000円 |
121~150 cm2 | 144,000円 |
151 cm2 | 応相談 |
※4回目以降半額 |
この料金は施術1回あたりの料金です。
タトゥーアウェイは4回~5回ほどの施術が必要になりますので、たとえば10cm2以下のサイズで4回治療した場合、費用は計126,000円となります。
※36,000円が3回、4回目以降半額のため18,000円が1回。
クリニックによって料金体系は異なりますので、カウンセリングの段階で、治療期間(施術回数)や費用についてしっかりと医師から確認しておきましょう。
まとめ
- タトゥーアウェイとは極細の回転針で皮膚の表面を浅く削り、高濃度の乳酸を注入することでタトゥーや刺青の色素を除去する治療法。
- リスクを少しでも回避、軽減するために、治療実績が豊富なクリニックや、信頼できる医師を探して相談することが大切。
- 完全除去に6か月~8か月ほど掛かる。